創業者:風本真吾医師 |
人間の身体構造、体の臓器がどこにあって、どんな働きをするのか。また、何をすれば健康にいいのか。その仕組みについて理解することは何よりも大切なことです。病院や診療所に行った際、貰った薬が何なのかも知らずにただ飲むだけの方々がほとんどといっても過言ではない現状は、大きな問題であると言わざるをえません。
病気を治す治療も大切な医療ではありますが、「説明不足」や「インフォームドコンセント」が医療現場における問題として指摘されている現在、一般の方々がもっと体の仕組みを理解し、医師の説明を理解できるだけの基礎的知識の向上を目指し、健康、医療、人体構造、病気のメカニズムについて、広く教育活動を行ってまいります。
また、昨今の健康志向の高まりを受けて、「病気でない、健康な人が、自己の身体のためにさらにもとめるもの」(予防医学、健康管理学、子供の発育学、疲労回復学、身体能力向上学など)を医学研究し、その成果を健康書籍を通じて、世に普及させると同時に、拠点施設を設けて、依頼者(患者など)に直接指導していくことも活動内容とするようになっています。
我々は、生涯を通して必要な知識・技能を義務教育のおかげで身につけています。読み書き、計算、歴史、地理などです。子供の頃に身につけた知識で、人生を生き抜いていくのです。
しかし、日常生活に密着して絶対に必要なのに、学ぶ機会がなかったものがあります。人体のこと、健康、医療のことです。この分野の知識が不足していることが、人生にさまざまな問題を生じさせています。健康不安に陥ったときに怪しい組織に囲い込まれたり、心理的なパニックに陥ったり、すぐに病院に駆け込んだり・・・といった身の回りのことだけでなく、進行ガンの治療選択の問題や末期状態での担当医・家族間のコミュニケーションの問題をも来たし、その結果、国民医療費が突出して増えていく主因にもなっています。国民の健康・医療に関する系統的知識が乏しいことが、医療社会内部に潜む相反現象を膨らませてしまう一因にもなっています。
系統的に学ぶ機会がなかった人体、健康、医療に関する全国民の知識を向上させることは、日本社会の未来を考える上で、必須となっています。一般社団法人日本健康教育振興協会の使命がそこにあるのです。
平成14年5月 | NPO法人日本健康教育振興協会設立 |
---|---|
平成20年10月 | NPO法人日本健康教育振興協会解散 |
平成25年3月 | 一般社団法人日本健康教育振興協会設立 |
江戸時代から明治時代へ。国民の参政意識が高まり、国会設立建白書が提出されました。
国会開設の詔が発せられたのが明治14年。
いきなり国民の投票で国会議員を選ぶといっても、江戸時代の封建社会を生きてきた国民は、政治がどのようなもので、どんな人を選んでいいのかさっぱりわかりません。そこで、盛り上がったのが自由民権運動です。その実体は、国民総動員で政治を勉強しようというものでした。自由民権運動を通して、国民は政治のなんたるかを学び、やがて、選挙が行われ、国民に選ばれた議員による国づくりへと移行したのです。
ある分野で革命的な何かを行うには、全国民のその分野における知識の向上が必須なのです。
医療社会は混迷を続けています。国民医療費37兆4千億円。費用的に突出していますが、必要であるのもまた確か。しかし、その費用の大半が現役世代から強制徴収されていること、医療社会内部に相反減少があることなど、多くの問題が内在されているのもまた確か。
医療社会に革命的な何かを行うには、全国民の医療・健康に関する知識の向上が必須です。
そのような思いを胸に秘めて、一般社団法人日本健康教育振興協会は設立されました。
この世には病気の人と病気でない人のどちらかしかいません。医師は病気の人に対して治療という格別に優れたノウハウを持っています。そして、病気でない人には、早期発見を謳って、検査を行い、「あなた、実は病気ですよ」と指摘することを仕事としています。しかし、病気でない人は、ある日、突然、病気だと指摘されることを望んでいるわけではありません。病気にならないことを望んでいるのです。その分野に関して、普通の医師はしっかりとしたノウハウを持っているわけではありません。
人体、健康、医療のことは、生涯にわたって自分の生活に関与します。人は生涯を通じて必要とするものは、学校教育で学んでいます。計算、読み書き、地理、歴史、道徳・・・。しかし、なぜか、人体、医療、健康のことは学んでいないのです。そのことが医療社会の進歩を抑制し、医療費の高騰を招き、末期医療の問題を解決困難にし、また、人々の生活に余計な不安を与えています。
人体、健康、医療を学ぶ場を提供することは社会的な使命です。社会人になってからは系統的な学習より、自分の将来の健康の役立つ知識を中心にした上で、人体、医療、健康の全体を学習することの方が実践的で学習意欲も高まります。
そのような観点から、6つの資格を開設したのです。
「病気になる前に取り組むべきことがある」
現役脳神経外科医として長年、救急医療の現場で働いていて、患者さんが運び込まれる前にいつも抱いていたことは、「医療者として、こうなる前になんとかすることはできなかったのだろうか」ということでした。病気というものは救急医療で命は救えても、重い後遺症のために社会復帰が難しくなることも少なくなくありません。
そのためにはどうしたらよいか。そこで、重要な考え方が「予防」です。「予防」と聞くと、健康診断や人間ドックがあるじゃないかと思われるかもしれません。でも、これらはあくまで健康保険の治療対象になる病気を発見するための検査にすぎません。人間ドックや健康診断は、今の健康状態の把握には非常に有用ですが、1年後も安心していいのかまではわからないのです。そのため、本当の意味での「予防」を実現するには、病気にならないための「知識」を身に付け、それを継続して実践することが、ほんとうに重要なことなのです。
病気になる前にとりくむべきことがある。
国民皆保険のもとで発展した日本の医療システムは、医療技術の進歩、少子高齢化とともに莫大な医療費が必要となり、制度疲弊とともに大きな転換点を迎える日が近づいてきています。
だれもが安心して、人生を楽しむために。そして、人生目標を達成するために。
私達、日本健康教育振興協会は、健康的な生活をするための有益な医療情報をわかりやすく発信していく存在であり続けます。
2013年3月
日本健康教育振興協会代表 菅原道仁